お世話になっております。本店店長の上田です。
今回は山科地区での地場産業であります、
「との粉」についてお話しさせて頂きます。
皆様は「との粉」についてご存知でしょうか?
「との粉」とは、木工品を作る際に、
仕上げ用に使用する下地材で、
木工製品の仕上げ方るには、
「との粉」仕上げ前に木目に擦り込み、
サンドペーパーで磨き、ニスを塗り仕上げます。
私自身も中学校時代に技術の時間に使用したことを
思い出します。
弊社は京都市山科区西野山にある浄土宗知恩院派の
末寺である極楽寺にある極楽寺霊園の専属指定店を
させて頂いております。
今回「との粉」を取り上げさせていただいた理由は、
先日極楽寺霊園の報告業務をさせて頂いた際に、
「との粉」の製造メーカーの社長と出会う機会があり、
そこでのお話しが非常に「ご縁」を感じさせていただけた
体験をさせて頂いたからです。
お会いさせて頂いた社長は極楽寺の総代を務めておられる
進藤様。
進藤様が営んでおられる株式会社進藤謙商店は
京都市山科区の稲荷山という地域にございます。
稲荷山はもともと「との粉」の産地で、
この地域に20軒ほどの「との粉」メーカーが
あったそうです。
しかし、製造所を維持するには広い敷地が必要であったり、
維持経費がかなり掛かることもあり、20軒あったメーカーも
今では進藤様の会社だけになったそうです。
「との粉」の作成工程は、材料となる頁岩(けつがん)と呼ばれる
極度に風化した粘板岩で、西野山と稲荷山の山側で採掘される物を使います。
頁岩は手に取ると崩れてしまうようなもので、
それをトロミル式鉄円筒粉砕機に原料の石と粉砕用の石と水を入れ、
10〜12時間かけて細かい粒子にします。
細かく粉砕された頁岩に水を加えながらろ過と沈殿をくり返します。
そこでとれた物を1〜2ケ月ほどかけて乾燥させ出来上がるそうです。
完成した「との粉」は今でも漆下地職人さん、神仏具職人さん、
家具職人さん、宮大工さんと「ほんまもん」にこだわる
《匠》と呼ばれる皆様方に幅広く使われているそうです。
最近では東本願寺、西本願寺、清水寺、平安神宮、日光東照宮などの
数多のお寺や神社などの文化財修復に無くては成らないと言われ、
進藤様の会社の「との粉」が使われているそうです。
実はその「との粉」製造に欠かせないトロミル式鉄円筒粉砕機に
弊社との「ご縁」があったのです。
トロミル式鉄円筒粉砕機の内側には「御影石」が順序良くならんでおります。
その御影石で材料となる頁岩と粉砕用の石を擂り合わせているそうです。
その御影石は何年かに一度交換するそうで、
昔は弊社山本石材店にご依頼いただいていたそうです。
確かに私が入社した35年ほど前の弊社の看板には
「トロミル」の文字が書いてあったのを思い出します。
進藤様も弊社の先代社長をよく知っておられました。
そういったご縁もあり、、西野山地区の地域の方との
ご縁も沢山いただけたのだろうと感じました。
ホームセンターでも進藤様の製品は
販売されておられるようです。
皆様も木工製品を作られる際には仕上げ材の一つとして
使って見られてみてはいかがでしょうか?
最後に、進藤様貴重なお話を聞かせて頂き、
本当にありがとうございました。
では、このあたりで失礼いたします。
※一部、株式会社進藤謙商店様HP
(http://yamasina-tonoko.com/index.html)
より、引用させて頂きました。